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タイ 鯖缶の中身がティラピア 重大な食品偽装でThai FDAが工場検査へ

「タイでの食品偽装問題 鯖缶の中身がティラピア Thai FDAが工場検査へ」という日本語テキストと、トマトソースの中に鱗のある白身魚が入った缶詰の実物写真、左下に「鯖×/ティラピア○」の比較と驚く男性・鯖缶のインフォグラフィックを組み合わせた縦型サムネイル。出典:คมชัดลึก。
keita satou

タイで、マッカレル(サバ)缶として販売されていた缶詰の中身がティラピアだったとして、SNSで大きな話題となっています。製造会社は代用魚の使用を認めて謝罪・回収・補償を表明。タイ食品医薬品委員会(Thai FDA)も事態を把握し、工場への立ち入り検査を予定しています。

※本記事はタイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。

この記事のポイント

鯖缶の中身がティラピア 重大な食品偽装でThai FDAが工場検査へに対してのAIによるインフォグラフィック
  • マッカレル(サバ)缶の魚部分がティラピアだった疑い・缶にはマッカレル60%と表示
  • 製造会社は「サバが不足していたためティラピアを代用した」と認めて謝罪
  • 問題ロットの自主回収と購入者への補償を表明
  • 一部ネットでは外来種「黒顎ティラピア」ではないかとの指摘も・会社側は通常のティラピアと説明
  • Thai FDAがサムットサコン県の工場へ立ち入り検査を予定
  • 表示と中身が違う「食品偽装」として食品法違反の可能性

1. 何が起きているのか

SNSに投稿された偽装した鯖缶
出典:คมชัดลึก

タイ人消費者が近所の商店で購入したマッカレル(サバ)缶詰を開けたところ、中の魚が通常のサバとは明らかに異なって見えるとして動画をSNSに投稿。
さらに友人が追加で2パックを購入して確認したところ、同じような魚が入っていたとして話題になりました。

缶の側面には「マッカレル60%」と表示され、GMP認証も記載されていました。

ここで重要なのは、この「マッカレル60%」という表示の意味です。
缶詰の場合、この数字は「缶の中身のうち魚の部分が60%を占める」ことを意味しており、残り40%はトマトソース・調味料・水分などです。つまり今回の問題は「残り40%にティラピアが混入した」のではなく、「本来マッカレルであるべき魚60%の部分そのものがティラピアだった疑いがある」という点です。

2. 会社が認めた「代用」の実態

報道によると、製造会社は投稿者に連絡し、以下を説明・表明しました。

  • 代用の理由:マッカレル(サバ)が市場で不足していたため、工場側の判断でティラピアを代用して製造した
  • 謝罪:消費者への謝罪を表明
  • 自主回収:問題のロットを市場から回収する方針を示した
  • 補償:購入者への代金返金や交換などの補償を行う意向を示した

会社が補償・回収対応を表明したため、投稿者が元の動画を削除したと伝えています。
現在もSNS上での拡散は続いていると報じており、「個人への補償で終わっていいのか」「他の消費者への説明はどうなるのか」という声も上がっています。

3. 黒顎ティラピアとの関係は?

SNS上では当初、缶の中の魚の見た目が
タイで外来種問題となっている「黒顎ティラピア(ปลาหมอคางดำ)」に似ているとして、
「まさか缶詰に外来魚が使われたのか」と一気に拡散しました。

黒顎ティラピアはタイ全土で急速に繁殖し在来種を脅かす外来種として、
タイ政府が現在駆除・活用策を進めている問題の魚です。
この文脈があったため、SNSでの反応は通常の食品クレームをはるかに超える規模になりました。

ただし、製造会社側は「黒顎ティラピアではなく、通常のティラピアを使用した」と説明しています。現時点でDNA検査等による公式な魚種の確定は報じられておらず、断定はできない状況です。

4. なぜ「重大な食品偽装」なのか

今回の問題の本質は「黒顎ティラピアかどうか」ではなく、「マッカレルと表示された魚の部分そのものがティラピアだった」という点にあります。

わかりやすく言うと、
「トマトソース等を除いた”魚の部分60%”が、本来のマッカレルではなくティラピアだった疑いがある」ということです。これは単なる「味が違う」では済まされません。

マッカレル(サバ)とティラピアは以下の点で根本的に異なります。

  • 魚種・味・食感:青魚と白身魚という根本的な違い
  • 栄養価:DHAやEPAなどの含有量が大きく異なる
  • アレルゲン:魚種によってアレルギー反応が異なる場合がある
  • 宗教・食習慣上の制限:魚種を選んで購入している消費者への影響
  • 価格:マッカレルとティラピアでは市場価格が大きく異なる

ラベルに記載された魚種と異なるものを販売することは、タイの食品法上「不正表示(Food Fraud)」に該当する可能性があり、食品法1979年に基づく罰則対象となり得ます。

5. Thai FDAが工場検査へ

Thai PBSによると、タイ食品医薬品委員会(อย.=Thai FDA)の事務局長は、
サムットサコン県保健当局の職員を工場へ派遣し検査する予定だと述べています。
工場側はThai PBSの取材に対し、詳細説明の準備はまだできていないものの、
ミスを認め社内で会議中だと短く回答したとされています。

今後の検査では以下が焦点になるとみられます。

  • 工場のGMP・HACCP等の製造基準の遵守状況
  • ラベル表示と実際の原材料の照合
  • 他ロット・他商品への同様の代用の有無
  • 使用された魚種の正式な確認

6. 旅行者・在住者への注意点

今回の対象は特定メーカーの特定ロットであり、
タイで広く販売されている大手ブランドの缶詰への言及はありません。
ただし以下の点には注意が必要です。

  • 缶を開けて違和感があれば食べない:魚の見た目・色・質感・鱗の有無などが通常と異なると感じた場合は食べるのをやめ、購入店や当局に連絡する
  • 格安・無名ブランドの缶詰には注意:今回のような原料代用は、コスト圧力が強い小規模メーカーで発生しやすい。ラベル・製造者名・食品登録番号を確認する習慣が有効
  • アレルギーや食事制限がある方は特に注意:魚種によってアレルゲンが異なるため、表示通りの魚種が入っていない可能性を念頭に置く必要がある

まとめ

日本でも馴染みの深い「鯖缶(サバ缶)」はタイでも広く普及している缶詰食品です。
また手軽なタンパク源として日本人旅行者・在住者にも利用されることがある商品だけに、
今回の「マッカレルと表示された魚の部分がティラピアだった疑い」は決して他人事ではありません。鯖自体もプラー(魚)サバで通じたり、スーパーの総菜コーナーでは塩焼きや日本ではあまり見かけませんが照り焼きも売っています。

今回のニュースは、「会社が個人に補償したから終わり」ではなく、Thai FDAの工場検査・食品表示の適正化・他ロットへの拡大の有無など、続報に注目が必要な案件です。そもそも食品の偽装というのはとても重大な問題だと私は思います。

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著者プロフィール

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Keita Satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,700人)をはじめ、複数のSNSで合計7万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。

出典・参考サイト

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about me
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Keita Satou
タイ在住ライター
タイ在住ライター バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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