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タイが退職後の移住先ランキングで世界4位に RUMAVI調査、生活費・医療を高評価

タイの夕暮れのビーチを手をつないで歩くシニア夫婦のイメージイラスト(AI IMAGE)
keita satou

国際移住アドバイザリー機関RUMAVIが発表した「RUMAVI Global Relocation Index 2026」の退職者部門で、タイが世界192カ国中4位にランクインしました。

生活費の安さ、私立病院を中心とした医療環境、現実的に取得・維持できる長期滞在ビザ制度などが評価されたと報じられています。

ランキングについて

今回の「世界4位」は、国連やタイ政府による公的な評価ではなく、民間の移住・不動産アドバイザリー会社RUMAVIが独自に実施した調査に基づくものです。

また、RUMAVIには「総合移住ランキング」と、退職者・デジタルノマドなど目的別に重み付けを変えた「カテゴリー別ランキング」があり、タイの順位は以下のように異なります。

  • 総合移住ランキング:28位(68.1点)
  • 退職者向けランキング:4位(74.3点)
  • デジタルノマド向けランキング:3位

したがって、「タイが世界で4番目に住みやすい国」と一般化するのは不正確です。正確には、RUMAVIが退職者向けに設定した評価基準において、世界4位という結果です。

RUMAVI公式:退職者部門トップ10

RUMAVI公式サイトに掲載されている退職者部門のランキングは、次の通りです(2026年8月時点)。

  • 1位:マレーシア(75.8点)
  • 2位:パナマ(75.8点)
  • 3位:ポルトガル(75.3点)
  • 4位:タイ(74.3点)
  • 5位:コスタリカ(73.5点)
  • 6位:セントクリストファー・ネービス(73.0点)
  • 7位:ジョージア(72.0点)
  • 8位:フィリピン(71.6点)
  • 9位:エストニア(71.3点)
  • 10位:アンティグア・バーブーダ(71.2点)

報道の中には、この順位と一部異なる国名(カンボジア、メキシコなど)を紹介しているものもありますが、本記事ではRUMAVI公式サイトに掲載されている順位を採用しています。

何を基準に評価されたのか

RUMAVIは、192カ国を24項目・4分野で採点しています。

  • お金・税金:生活費、所得税、海外所得への課税、住宅費など
  • 暮らし・医療:医療の質、医療費、気候、大気環境など
  • 安全性・安定性:治安、法制度、政治的安定性など
  • 定住のしやすさ:ビザの取得しやすさ、永住への道、英語環境など

退職者部門では特に、医療の質(重み9.0%)、海外所得に対する税制(8.5%)、生活費(7.5%)、日常生活上の安全性(7.5%)、医療へのアクセスと費用(7.0%)が重視されているとされています。学校教育やスタートアップ環境は、退職者部門ではほとんど評価対象になっていません。

タイが高く評価された理由

生活費の安さ

タイの「一般的な生活費」は96.9点、「住宅費」は85点と評価されています。欧米諸国と比べて、住居、食事、交通、家事サービスなどの費用を抑えやすい点が高評価につながりました。ただし、バンコク中心部やプーケット、サムイ島などでは家賃や外食費が上昇しており、「タイならどこでも安い」というわけではありません。

私立病院を利用しやすい

タイの医療の質は78点、医療へのアクセスと費用も78点と評価されています。バンコク、チェンマイ、プーケットなどには、外国人患者の受け入れ経験が豊富な私立病院があり、英語対応や国際的な医療サービスを利用しやすい点が評価されたと考えられます。ただし、これは「無料または安価に治療を受けられる」という意味ではなく、高額な治療では民間保険や十分な予算が必要です。

長期滞在ビザが用意されている

RUMAVIはタイについて、LTRビザとNon-Immigrant O-Aビザを退職者が利用できる長期滞在制度として評価し、4点のビザ加算を付けているとされています。

一般的なリタイアメント関連ビザでは、50歳以上であることに加え、80万バーツ以上の預金、月額6万5,000バーツ以上の年金・収入、またはその組み合わせなどが代表的な基準とされています。実際の必要書類、保険、預金維持期間などは、ビザの種類や申請方法によって異なります。

なお、50歳以上の退職者向けLTR「Wealthy Pensioner」では、原則として年間8万米ドル以上の年金または不労所得が必要とされ、これに満たない場合はタイ国内への投資など追加条件が設定されています。LTRビザは、一般的な退職者全員が容易に利用できる制度ではない点にご留意ください。

インターネット・銀行環境

タイのデジタルインフラは89.4点、通貨・銀行環境は91.8点と高く評価されています。生活費の支払い、配車、食事の注文、銀行送金など、多くのサービスをスマートフォンで利用できる点も長期生活の利便性につながっています。

評価が低かった項目

タイはすべての項目で高得点だったわけではありません。

  • 英語環境:32.8点
  • 法の支配:50点
  • 大気環境:56点
  • 気候の快適性:51点
  • 安全・安定性全体:58点(日常の治安は63点)

バンコクの中心部や観光地では英語が通じる場面が多いものの、行政、病院、銀行、不動産契約、地方での生活ではタイ語が必要になることがあります。またバンコクのPM2.5や、チェンマイを中心とする北部の煙害シーズンも、居住地を選ぶうえで注意すべき点です。

日本人が特に注意すべき税金

今回のランキングで特に慎重に見るべきなのが、タイの海外所得に対する評価です。RUMAVIはタイの海外所得税制を82点と比較的高く評価していますが、タイ歳入局の公式説明では、タイに年間180日以上滞在する税務上の居住者は、タイ国内所得に加え、タイへ持ち込んだ外国源泉所得についても課税対象となり得るとされています。

そのため、日本の公的年金・企業年金、日本の賃貸収入、株式配当、株式や投資信託の売却益、日本の銀行口座からタイへ送金する生活費などがある方は、個別の確認が必要です。「タイは海外所得に税金がかからない」と単純に受け取るのは危険であり、所得の種類、発生年、送金時期、租税条約などによって扱いが変わるため、税務専門家への確認をおすすめします。

不動産についても注意が必要

外国人は原則としてタイの土地を直接所有できません。コンドミニアムについては、建物全体の総床面積の49%以内という外国人枠の範囲で、外国人名義による所有が可能です。戸建てやヴィラは、一般的に長期賃借権などを利用します。「退職先として4位」という結果は、土地所有や永住権が容易であることを意味するものではありません。

「世界9位・アジア1位」という別の報道との違い

2026年7月には、タイが「世界9位、アジア1位のリタイア先」とも報じられました。こちらは、米国のInternational Livingが発表した別の「Global Retirement Index 2026」です。24カ国を対象に、住宅、生活費、ビザ、医療、気候など7分野で評価し、タイは80点で世界9位、アジア1位となりました。

したがって、2つの順位は矛盾しているわけではなく、対象国、採点方法、運営組織が異なる別のランキングです。

  • RUMAVI:192カ国を対象にした退職者部門で4位
  • International Living:選定した24カ国の中で9位、アジア1位

在タイ日本人・移住検討者へのポイント

今回の結果は、タイが生活費、医療環境、長期滞在ビザの選択肢、外国人向けサービスの蓄積、複数の居住候補地(バンコク・チェンマイ・プーケットなど)、インターネットやキャッシュレス環境の面で国際的に強い競争力を持っていることを示しています。

一方で、税金、健康保険、大気汚染、交通事故、土地所有の制限、英語環境、永住の難しさなどは、ランキングだけでは判断できません。タイは退職後の移住先として有力ですが、「安くて簡単に暮らせる国」とひとくくりにするのではなく、ビザ・税金・医療・居住地を個別に検討することをおすすめします。

タイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。

まとめ

民間の移住アドバイザリー会社RUMAVIが発表した「Global Relocation Index 2026」の退職者部門で、タイは192カ国中4位(74.3点)にランクインしました。生活費の安さ、私立病院を中心とした医療環境、長期滞在ビザ制度、デジタルインフラの充実などが評価されています。

一方、タイの総合移住ランキングでは28位(68.1点)にとどまっており、「退職者向け」という限定的な評価である点に注意が必要です。また、法の支配、大気環境、気候の快適性などの項目では評価が低く、海外所得に対する税制についても慎重な確認が求められます。

英語環境と言うのは、日本人にはあまり関係のない項目かもしれません。実際バンコクでは日本語が通じるお店もたくさんあります。また最近では円安の影響をうけており、年金だけでは生活が苦しいという声やバンコクではなくリタイア先として近隣県やパタヤに住む方も増えています。

しかしながら、こうしたランキングは海外移住を検討している方にとっては目安になるのではないでしょうか

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よくある質問(FAQ)

Q1. タイは「世界で4番目に住みやすい国」ということですか?

いいえ、正確ではありません。今回の4位は、RUMAVIが退職者向けに設定した評価基準における順位です。同じRUMAVIの総合移住ランキングでは、タイは28位となっています。

Q2. 「世界9位」という別の報道もありましたが、どちらが正しいのですか?

どちらも正しい報道ですが、別の調査です。「世界4位」はRUMAVIが192カ国を対象に実施した退職者部門の結果、「世界9位・アジア1位」はInternational Livingが24カ国を対象に実施した別の調査結果です。対象国数や評価方法が異なるため、単純に比較できません。

Q3. このランキングは、タイでの滞在ビザや税金の安全性を保証するものですか?

いいえ、保証するものではありません。RUMAVIの評価は国全体の平均的な傾向を示すものであり、個々のビザ申請の可否や、海外所得への課税の扱いなどを確定するものではありません。ビザや税務については、タイ大使館・入国管理局・税務専門家などへ個別に確認することをおすすめします。

出典・参考サイト

  • RUMAVI公式「Global Relocation Index 2026」退職者部門ランキング
  • RUMAVI公式「タイ国別評価ページ」
  • ASEAN NOW「Thailand ranks fourth in global retirement index」

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Keita Satou
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。

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about me
Keita Satou
Keita Satou
タイ在住ライター
タイ在住ライター バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1700人)や複数のSNS(総フォロワー7万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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