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タイ ビリヤード・スヌーカーの未成年者のプレー解禁に向け見直しへ 現行ルールについて解説

ビリヤード・スヌーカーの未成年者プレー解禁に向けタイ政府が見直しへ(AI IMAGE)
keita satou

タイ政府は2026年10月22日、スヌーカーやビリヤードを未成年者がプレー・練習することを制限してきた1960年の省令の改正に向け、意見公募(パブリックヒアリング)を開始しました。1935年制定の「賭博法」に基づく91年前の規制が、現在のスポーツ振興の実態と矛盾している状態が続いていたことが背景にあります。

この記事では、現行ルールの内容、今回の改正案で何が変わるのか、そして「18歳未満」という表記に潜む注意点を解説します。

そもそもスヌーカー・ビリヤードはタイで違法なのか

結論から言えば、完全に禁止されているわけではありません。タイでは1935年制定の「賭博法」の規制対象にビリヤードが含まれており、スヌーカーも関連する遊技として扱われています。1960年の省令第17号では、未成年者が施設でプレーしたり練習したりすることへの制限が具体的に定められました。

一方で、2013年の「プロスポーツ振興法」により、ビリヤードは正式なプロスポーツとして認定されています。つまり、スポーツとして公的に認められているにもかかわらず、91年前の賭博法に基づく制限が未成年者の競技参加を妨げているという矛盾した状態が続いていました。

今回の改正案で何が変わるのか

タイ内務省地方行政局(DOPA)が進める今回の省令改正案では、主に次の2点が変更される見込みです。

  • 未成年者のスヌーカー・ビリヤードのプレーおよびトレーニングに関する制限の見直し(具体的な条件は未公表)
  • ボクシング興行主の監督権限を、体育局や県教育事務所からタイ国スポーツ庁(SAT)へ移行し、1999年ボクシング法と整合させる

なお、今回の改正は賭け事そのものを自由化するものではありません。あくまでスポーツとしての練習・競技環境を整備するための制度見直しであり、試合結果への賭博を合法化する方針は発表されていません。

「18歳未満」という表記には注意が必要

報道によると、海外メディアの一部は今回の改正を「18歳未満の解禁」と表現していますが、この年齢表記には注意が必要です。タイ政府の公式発表で使われているのは「ผู้ไม่บรรลุนิติภาวะ(成年に達していない者)」という表現で、タイの民商法第19条では原則として満20歳で成年に達すると定められています。

そのため、「18歳未満」という表現だけで規制対象の年齢を正確に判断することはできません。今回の改正で何歳から、どのような施設で、どのような条件でプレーできるようになるのかは、現時点ではまだ確定していません。

これまでの経緯

今回の省令改正に至るまでには、以下のような経緯がありました。

  • 2026年4月:スヌーカー関係者やプロ選手が国会を訪れ、競技を賭博法の規制対象から完全に外すよう要求
  • 2026年8月8日:改正案が財政関連法案に該当すると判断され、首相の認証が見送られる通知
  • 2026年9月18日:アヌティン首相が「自分の感覚ではスヌーカーは賭博というよりスポーツ」と発言し、内務省に改めて確認する考えを示す
  • 2026年10月22日:内務省地方行政局が、賭博法からの完全除外ではなく、未成年者のプレー制限緩和に絞った省令改正の意見公募を開始

つまり、4月に提出された「賭博法から完全に除外する」という議員側の動きは8月の時点で一度停滞しましたが、9月の首相発言をきっかけに、政府が省令改正という別のルートで部分的に前進させた、という流れになります。この経緯については、以前の記事「スヌーカーは賭博?タイ首相『スポーツと認識』も賭博法改正は足踏み」でも詳しく解説しています。

タイのスヌーカー界が訴えてきたこと

この法改正の背景には、タイ・ビリヤードスポーツ協会の働きかけがありました。スントーン・ジャールモン会長は、法律による制限が若手選手の育成を妨げていると訴え、認定されたアカデミーなどを通じて練習できる若手選手は年間約14人に限られていると説明しています。この「年間約14人」は協会会長による説明であり、タイ全国の未成年競技人口を示す公式統計ではありません。

なお、若手選手が全く競技できないわけではありません。2026年には18歳のタイ人女子選手がU21スヌーカー世界選手権で優勝するなど、一部の若手選手はすでに世界大会で活躍しています。問題視されているのは、一般の子どもが競技を始めるための環境が限られている点です。

今後の流れ

タイ内務省地方行政局は、2026年10月22日から11月22日まで、政府の法律ポータルサイト「law.go.th」で改正案に関する意見公募を実施しています。政府副報道官のプロイタライ・ラクサミーサンチャン氏は、「この改正の目的は、時代遅れの法的制限を取り除き、個別のスポーツ法と現在のスポーツ運営の実態にルールを合致させることである」と説明しています。

意見公募の期間終了後、最終案が閣議に提出される予定ですが、具体的な時期は未定です。それまでは現行の制限ルールが引き続き適用されます。

旅行者・在住者へのポイント

日本人にとっては、バンコクやパタヤなどのビリヤード場・スヌーカー場を利用する際のルールに関係してきます。タイ在住の日本人家庭で子どもがスヌーカーを習いたい場合、現時点では施設の種類や認可状況によって利用条件を確認する必要があります。

  • 改正が実現すれば、未成年者が競技施設で練習する機会が広がる可能性がある
  • 何歳から、保護者の同伴が必要か等の具体的な条件はまだ未定
  • 外国人の子どもに対する国籍別の特別な制度が発表されたわけではない
  • 2026年中に改正が成立するかどうかも未定で、現時点では現行の制限ルールが適用される

まとめ

今回の省令改正は、「スヌーカーが全面禁止されていた」「18歳未満が解禁された」「賭博が合法化される」という話ではありません。91年前の賭博法に基づく制限と、現在のプロスポーツとしての位置づけとの矛盾を解消するための制度見直しであり、現時点ではまだ意見公募の段階です。

賭博法というものが日本とタイでそもそもルールが違っており、ビリヤードやダーツの設置にはお店の許可が必要と言うのは知っていましたが、そもそも未成年がビリヤードをするのが違法だとはさすがに知りませんでした。私は日本では、ゲームセンターやエンターテイメント施設に設置されており、中学生からビリヤードをしていたので驚きました。所かわればルールが変わると言いますが、こういった知らない細かな国ごとのルールの違いをできるだけ今後も発信していきたいと思います。

タイの大手メディアの報道をもとにまとめています。

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FAQ

Q1. スヌーカーは今まで完全に違法だったのですか?

いいえ。全面的に禁止されていたわけではなく、1935年の賭博法の規制対象に含まれ、未成年者のプレー・練習に制限がかけられていた状態です。2013年には正式なプロスポーツとしても認定されています。

Q2. 「18歳未満が解禁」というのは正確ですか?

正確ではない可能性があります。タイ政府の発表は「成年に達していない者」という表現で、タイの成年年齢は満20歳です。具体的な年齢区分はまだ公表されていません。

Q3. 今回の改正で賭博が合法化されるのですか?

いいえ。今回の改正はスポーツとしてのプレー・練習環境を整備するためのもので、試合への賭博行為を自由化するものではありません。

Q4. いつから新しいルールが適用されますか?

意見公募は2026年11月22日まで行われ、その後に最終案が閣議に提出される予定ですが、具体的な時期は未定です。それまでは現行の制限ルールが適用されます。

出典・参考サイト


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著者:Keita Satou
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。

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Keita Satou
タイ在住ライター
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
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