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タイで「1時間1,000バーツ」から始まる友達レンタルが拡大 その仕組みとは?

タイの友達レンタルサービスを表すコラージュ画像、カフェ、ショッピング、ジョギング、写真撮影、高齢者の付き添いなどの利用シーン(AIMAGE)
keita satou

タイ・バンコクを中心に、お金を払って友達のように一緒に過ごしてもらう「友達レンタル(Friend-for-hire)」サービスが広がっています。カフェ巡りやショッピング、旅行、写真撮影など、数時間だけ同行してもらう新しいギグワークとして注目を集めています。

本記事では、報道されている事例やサービスの仕組み、社会的な背景を整理してお伝えします。なお、このサービス自体の市場規模や利用者数を示す公式統計は、本記事執筆時点では確認されていません。

サービスの内容

報道によると、このサービスの基本は、対価を支払って数時間だけ「友達のように」一緒に過ごしてもらうというものです。主な利用シーンとして、次のようなものが紹介されています。

  • ・カフェ巡り、ショッピング、旅行、食事への同行
  • ・ジム、ランニング、エアロビクス、ボルダリングなど運動の同伴
  • ・スパ、コンサートやイベントへの同行
  • ・SNS用の写真撮影
  • ・高齢者の買い物や外出への付き添い

今回報じられているのは、あくまで友人としての同行サービスです。

特に需要があるのは「写真を撮ってくれる友達」

報道によると、バンコクの大学生でコンテンツクリエイターでもある女性は、最初は好奇心からこのサービスを利用しました。使ってみると、「旅行に行きたいが友達の予定が合わない」「一人旅にはまだ少し抵抗がある」、そして特に「自分の写真を思い通りに撮ってくれる人が欲しい」という悩みを解決できることに気づいたと説明しています。

友達に「もう一枚」「角度を変えて」「100枚くらい撮って」とは頼みにくくても、仕事として同行している相手であれば、希望する構図や角度を遠慮なくリクエストできます。Instagram、TikTokなどのSNS文化と相性の良いサービスといえます。

2カ月で50人以上を担当した20歳の大学生

報道で紹介されている代表例が、20歳の大学生が始めた「Snap Like A Bestie(親友みたいに写真を撮る)」というサービスです。開始から約2カ月で50人以上の顧客を担当したとされ、忙しい日は1日最大3件、1件あたり1〜3時間程度対応しているとのことです。

ただ写真を撮るだけでなく、利用者と会話しながら緊張をほぐし、自然な表情を引き出すところまでサービスに含まれているとされています。プロのカメラマンとの違いは、「一緒に遊ぶ→会話する→自然な写真も撮る」という体験そのものを提供している点です。

料金は1時間1,000バーツの例も

報道で紹介されているもう一人の事例が、テレビ番組の共同プロデューサーを辞めた後、レンタル友達サービスを始めた女性です。きっかけは親族から、高齢女性2人の買い物や外出への付き添いを頼まれたことでした。実際にやってみて、「単純に誰かと一緒に出かけたい人」からの需要に気づき、SNSで紹介したところ依頼が増えたとされています。

現在の依頼にはランニング、ジム、エアロビクス、買い物、スパ、カフェ巡り、室内ロッククライミングなどがあり、通常2〜3時間程度、料金は1時間1,000バーツとされています。ただし、これはあくまでこの女性個人の料金であり、タイの友達レンタルサービス全体の統一料金というわけではありません。

実際、タイのフリーランスマッチングサイトでは、食事や観光の同行、語学のLanguage Buddy、ビジネス同行などを含むサービスが500バーツから掲載されている例もあり、料金には幅があります。

高齢者の付き添いという需要も

SNS向けの写真撮影とは異なる需要として、高齢者の外出への付き添いも挙げられています。タイでは高齢化が進んでおり、家族と同居していても、平日昼間は家族が仕事で不在、買い物に一人で行くのは不安、介護までは必要ないが誰かに同行してほしい、という層が存在するとされています。報道では、高齢化と単身世帯の増加の両方が、こうしたサービスの需要拡大の背景として挙げられています。

チェンマイにも広がる動き

報道によると、このサービスはバンコクだけでなくチェンマイにも広がっています。ある会社員は、友人とのチェンマイ旅行で希望する活動(ハイキングとカフェ巡り)が分かれたため、TikTokのレビューを見て見つけたレンタル友達サービスを利用し、一緒にカフェ巡りをしたとされています。「友達がいない」からではなく、「その日、その時間、その活動だけ一緒にしてくれる人が必要だった」という、限定的な需要であることがうかがえます。

なぜ今タイで広がっているのか:1人世帯29.5%

報道によると、2025年時点でタイの全世帯のうち29.5%が1人世帯とされています。これは世界平均の21.9%を大きく上回る水準です。Krungsri Researchの調査でも、Euromonitorのデータをもとに同様の数値が確認されています。

ここで注意が必要なのは、「タイ人の29.5%が一人暮らし」ではなく、「全世帯のうち29.5%が1人世帯」という意味だという点です。Krungsri Researchは、このペースで増え続けた場合、2042年にはタイの全世帯の40%以上が1人世帯になる可能性があると指摘しています。

友達レンタルサービスは、単身世帯の増加、晩婚化・未婚化、高齢化、都市生活、SNS文化、ギグエコノミーといった複数の社会的変化が重なって生まれてきたサービスと見るのが妥当です。

「孤独だから」だけではない利用理由

報道では、このサービスを利用する理由が必ずしも「孤独だから」ではないことが強調されています。「今日は友達が仕事」「旅行先でやりたいことが友達と違う」「一人でカフェへ行くのが少し不安」「SNS用の写真をたくさん撮ってほしい」「一緒に運動する人が欲しい」といった、利便性を重視した理由も多いとされています。

安全面の対策と課題

今回紹介されているサービス提供者は、性的サービスを提供しているという情報はなく、むしろ安全対策を重視しているとされています。前述の大学生は、公共の場所でしか依頼を受けない、事前に依頼者のSNSを確認するというルールを設定しているとのことです。もう一人の女性も、深夜の歓楽街への同行など、自分が危険・不快と感じる依頼は断っているとされています。

一方で、見知らぬ利用者と実際に会うサービスであるため、セクハラやストーカー、契約外の要求といったリスクも指摘されています。ある社会学者は、このサービスが精神的な安心感を提供するメリットがある一方で、提供者側が明確なルールと境界線を設定することが重要だと指摘しています。通常の友人関係と異なり、利用者が「見た目」などで同行者を選べる点も特徴とされ、そこから恋愛的な期待や勘違いが生じる可能性があるため、境界線の設定が重要とされています。

在住者・旅行者へのポイント

タイのフリーランスマッチングサイトには、外国人へのタイ文化紹介や語学のLanguage Buddy、観光・食事への同行を明記したサービスも存在するとされています。日本人旅行者にとっても、「一人でローカル市場へ行くのは不安」「タイ人しか行かないカフェへ行きたい」といった用途との相性は良さそうです。ただし、日本語対応の大規模な専用サービスがタイで普及しているという事実は、本記事執筆時点では確認できていません。

利用を検討する場合は、公共の場所での利用を基本とし、事前にサービス提供者の実績やレビューを確認するなど、安全面への配慮が重要です。

タイの大手メディアおよび海外メディアの報道をもとにまとめています。

まとめ

今回の話題は、タイ・バンコクを中心に「友達レンタル」サービスが広がっているというものです。写真撮影、カフェ巡り、旅行同行、高齢者の付き添いなど、幅広い用途で利用されており、背景には1人世帯の増加(29.5%)や晩婚化・未婚化、高齢化、SNS文化といった社会的な変化があります。

今回報じられているのは友人としての同行サービスであり、性的サービスとは異なります。ただし、見知らぬ人と実際に会うサービスである以上、安全面への配慮は欠かせません。市場規模を示す公式統計はまだありませんが、単身世帯の増加という社会構造の変化を背景に、今後も広がっていく可能性がありそうです。

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よくある質問(FAQ)

Q1. これは恋人代行や性的サービスなのですか?

いいえ。今回報じられているのは、友人としての同行・会話・写真撮影などを行うサービスです。性的サービスを提供しているという情報は確認されていません。

Q2. 料金はいくらですか?

報道で紹介されている一例では1時間1,000バーツ程度ですが、これは個人の料金設定であり、マッチングサイトでは500バーツからのサービスも見られます。統一料金があるわけではありません。

Q3. なぜタイでこのサービスが広がっているのですか?

タイでは2025年時点で全世帯の29.5%が1人世帯とされ、世界平均を大きく上回っています。単身世帯の増加、晩婚化・未婚化、高齢化、SNS文化などが背景にあるとみられています。

Q4. 安全性は大丈夫なのですか?

サービス提供者側は、公共の場所での利用や事前スクリーニングなど、安全対策を行っているとされています。ただし、見知らぬ人と実際に会うサービスであるため、セクハラやストーカーなどのリスクも指摘されており、利用の際は注意が必要です。

出典・参考サイト

  • ASEAN NOW:友達レンタルサービスの拡大に関する報道記事
  • The Straits Times:サービス利用者・提供者へのインタビュー記事
  • South China Morning Post:サービスの背景に関する報道記事
  • Krungsri Research:タイの1人世帯比率に関する調査資料

タイムラインバンコク編集部keitasatouのアイコン

Keita Satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。

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Keita Satou
タイ在住ライター
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
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