チャオプラヤー川 水位の上昇幅が最大1.5mへバンコク都が川沿い住民に警戒呼びかけ
バンコク都庁(BMA)は、チャオプラヤー川沿いの住民・事業者に対し、河川の水位上昇への警戒を呼びかけています。
現在の水準から最大約1.5メートルの上昇に達する可能性があるとされています。
雨季のバンコクは、水位や冠水状況などは日々変化するため、旅行者の方は
ご注意ください。
本記事は2026年9月22日時点の情報です。
最新の水位状況はバンコク都の公式発表等でご確認ください。
なぜ水位が上がるのか
タイ北部・中部上流で降った大量の雨が河川を通じて南下しており、チャオプラヤーダム(チャイナート県)から下流へ流す水の量を増やす必要が出ています。バンコクはさらに下流に位置するため、数日遅れて影響を受ける仕組みです。
報道によると、タイ王立灌漑局(RID)の9月21日午前8時時点のデータでは、ナコーンサワン県の観測地点「C.2」で1,377立方メートル/秒の水量を記録しました(前日は1,108立方メートル/秒)。同じ時点で、チャオプラヤーダムからの放流量も690立方メートル/秒から990立方メートル/秒まで増加しています。
灌漑局は、状況に応じてこの放流量を1,000〜1,300立方メートル/秒程度へ段階的に調整する方針を示しています。上流の降雨状況によって、今後さらに数値が変わる可能性があります。
特に警戒が必要な地域
今回の警戒対象は、バンコク全域ではなく、主に以下のような場所です。
- 堤防(防潮堤)の外側にある住宅・水上家屋
- チャオプラヤー川沿いの飲食店・水上レストラン
- 船着き場(ピア)・ボート乗り場
- 川沿いの建設現場・倉庫
- チャオプラヤー川とつながる運河(クロン)周辺の低地
特に影響が大きいとされているのが、アユタヤ県のセーナー郡、パックハイ郡、バーンバーン郡、アユタヤ市郡、バーンパイン郡、バーンサーイ郡などの堤防外の低地です。これらの地域では、現在の水位から、約0.5〜1.5メートル程度上昇する可能性があるとされています。
一方、当局は現段階で、堤防内の一般的な市街地への直接的な影響は想定していないと説明しています。バンコク中心部(スクンビット、プロンポン、トンロー、アソークなど)が、この放流量の増加によって直ちに浸水するという発表ではありません。
警戒対象の10県とバンコク
中央防災当局は、以下の10県とバンコクに対し、状況を監視するよう連絡しています。
- ウタイターニー、チャイナート、シンブリー、アーントーン
- スパンブリー、アユタヤ、ロッブリー
- パトゥムターニー、ノンタブリー、サムットプラーカーン
対象地域では、自治体が堤防や排水設備を点検し、必要に応じてポンプ・重機・職員を準備するよう求められています。
バンコク都が呼びかけている対策
バンコク都は、川沿いなどリスクのある地域の住民・事業者に対し、以下の対策を呼びかけています。
- 家財・貴重品・電化製品・商品を高い場所(2階以上目安)へ移動する
- 低い位置にある配線・コンセント・ブレーカーを確認し、浸水の恐れがあれば送電を遮断する
- 敷地内への浸水ルートとなる隙間に土のうを設置する
- 車・バイクを低地や川沿いから移動する
- 家畜・ペットを安全な場所へ移す
- ボート・水上店舗は営業・運航情報を確認する
- 夜間の川沿い移動を避ける
- 満潮時刻(高潮)とダムからの水が重なると急激に冠水しやすいため、水位情報をこまめに確認する
トラブル時の連絡先
- BMA 24時間ホットライン:1555(浸水被害・排水の緊急要請)
- LINE通報アカウント:@traffyfondue(写真付きで冠水・トラブルを通報可能)
2011年の大洪水と同じ規模なのか
現時点で、2011年の大洪水と同じ規模になるという情報はありません。今回の警告は、上流の降雨、ダムからの放流量増加を受けた、川沿いの低地・堤防外区域を対象とした短期的な水位上昇への警戒です。「チャオプラヤー川の水位上昇」という報道だけでバンコク大洪水を連想する方もいますが、現時点の発表は特定の低地・川沿い区域を対象としたものです。
日本人旅行者・在住者への影響
日本人が特に注意したいのは、以下のような場所です。
- チャオプラヤー川沿いのホテル・リバーサイドレストラン
- 水上マーケット・クルーズ乗り場
- チャオプラヤー・エクスプレス(観光船)
- アユタヤの川沿い観光施設
- ノンタブリー・パトゥムターニーの川沿い住宅
- サムットプラーカーンの河口周辺
現時点で運航停止などの発表はありませんが、水位が高くなれば、桟橋への乗降や川沿いの低い通路などに影響が出る可能性があります。川沿いのホテルやレストランを予約している場合、また観光船の利用を予定している場合は、事前に施設へ直接確認することをおすすめします。
タイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。
まとめ
バンコク都は、北部・中部上流の豪雨によるダム放流量増加を受け、チャオプラヤー川沿いの住民・事業者に警戒を呼びかけています。「最大1.5メートル」は市街地の浸水深ではなく、河川水位そのものの上昇幅であり、現時点でバンコク中心部の一般的な市街地が直ちに浸水するという発表ではありません。特に警戒が必要なのは、堤防外の低地や川沿いの住宅・店舗・船着き場です。
バンコク在住者の観点からすると、この時期は天気予報などをみることもなく、毎日雨が降るものと認識して生活しています。その雨が朝なのか、昼なのか、夜なのかの違いがあるだけでほとんど毎日雨が降ります。
雨季のバンコクでは、日本でいうところのゲリラ豪雨が連日続くケースもあり。場所によっては冠水などもおこります。当サイトでも雨季のバンコクについてやバンコクの季節についても掲載していますので、是非ご覧ください。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 「最大1.5メートル上昇」とはバンコクが1.5メートル浸水するという意味ですか?
いいえ、違います。これはチャオプラヤー川そのものの水位が、現在の水準からどれだけ上昇する可能性があるかを示した数値であり、市街地の浸水の深さを意味するものではありません。
Q2. バンコク中心部(スクンビットなど)も浸水するのですか?
現時点で、バンコク中心部の一般的な市街地が直ちに浸水するという発表ではありません。今回の警戒対象は主に、堤防の外側にある低地や川沿いの住宅・店舗です。
Q3. 2011年のような大洪水になる可能性はありますか?
現時点で、2011年の大洪水と同じ規模になるという情報はありません。今回は上流の降雨とダム放流量増加による、短期的な水位上昇への警戒です。
Q4. 観光船やリバーサイドレストランは利用できますか?
現時点で運航停止などの発表はありませんが、水位の状況によって桟橋の利用等に影響が出る可能性があります。利用予定がある場合は、事前に施設へ直接確認することをおすすめします。
出典・参考サイト
- Infoquest(バンコク都・防災当局の警戒呼びかけに関する報道)
- ASEAN NOW「Bangkok warns Chao Phraya residents over rising water」
- Nation Thailand(水位上昇に関する報道)
- タイ王立灌漑局(RID)水situation公式発表
著者プロフィール

Keita Satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
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