タイ旅行者への注意喚起 デング熱2万1,620人・COVID-19約9万4,000人 症状の見分け方と注意点
タイ保健省疾病管理局(DDC)の発表によると、2026年はデング熱とCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)がいずれもバンコクを中心に報告されています。本記事では、両疾患の最新の感染状況と、症状の見分け方、旅行者・在住者が取るべき注意点を整理してお伝えします。
なお、デング熱とCOVID-19は感染経路や監視の仕組みが異なるため、単純な人数比較で「どちらがより危険か」を判断することはできません。この点を踏まえたうえで、それぞれの状況を確認していきましょう。

タイ国内のデング熱感染状況
報道によると、DDCは2026年1月1日〜8月19日の国内デング熱感染データを公表しました。前年同期や年間予測値は下回っているものの、本格的な雨季に入り感染者数が増加傾向にあるとされています。
- 全国の感染者数:21,620人(死者31人)
- バンコク都内の感染者数:1,785人(死者4人)
- 集計期間:2026年1月1日〜8月19日
DDCはバンコク都内のバンカピ区で疾病調査と防疫活動を実施しました。現場では、住宅下に溜まったゴミや汚水が蚊の繁殖リスク要因として確認され、除去や周辺環境の改善が行われています。あわせて、住民対象のスクリーニング検査、児童の症状チェック、地域住民への啓発活動も実施されているとのことです。
蚊の繁殖場所と予防策
デング熱を媒介するネッタイシマカは、溜まった水のある場所に卵を産み付けます。報道によると、次のような場所に注意が必要です。
- 家庭の貯水容器
- 捨てられた空き容器、瓶のふた
- 鉢植えの受皿
- テーブルの脚の受け皿
- ゴミの溜まった場所
DDCが呼びかけている予防策は、ゴミと水が溜まる容器を片付けること、家の中を清潔に保ち蚊の休む場所を減らすこと、飲料水や家庭用水を必ずふたで覆うことの3点です。これらはデング熱だけでなく、チクングニア熱やジカウイルス感染症の予防にも有効とされています。
デング熱の警告サイン
報道によると、次の症状がある場合は、自己判断で薬を購入せず、すぐに病院を受診することが推奨されています。
- 38.5度以上の発熱が2日以上続く
- 頭痛、目の奥の痛み
- 顔の紅潮、強いのどの渇き
- 腕・脚・胴体に小さな出血点が現れる
タイ国内のCOVID-19感染状況
報道によると、DDCのデータでは2026年の累積COVID-19患者数は約9万4,000人(正確には94,402人)、死亡者は14人です(集計期間:2026年1月1日〜8月28日)。最新週(8月23日〜28日)の新規患者は11,451人(うち外来10,774人、入院677人)、死亡は2人追加されました。患者数はバンコクで最も多く、主に20〜39歳の労働世代で発生しているとされています。
デング熱の集計は8月19日時点、COVID-19の集計は8月28日時点であり、集計期間が9日間ずれています。ほぼ同時期のデータではありますが、単純に人数だけを比較して「どちらが深刻か」を判断することはできません。感染経路も、デング熱は蚊による媒介、COVID-19は飛沫・接触感染と大きく異なります。
現在の主流株と重症化リスク
報道によると、現在の主流株はNB.1.8.1で、検出サンプルの50.95%を占めています。JN.1系統の分枝で、免疫回避や伝播力の強化が懸念されていますが、重症化リスクを高める証拠は確認されていません。その他、JN.1が24.97%、XECが9.14%検出されています。
DDCの専門家は、COVID-19を現在「風土病または季節性感染症」と位置づけており、重症度と伝播傾向は低下しているものの、引き続き基本的な予防を続けるよう呼びかけています。前年(2025年)は大規模な流行があったのに対し、2026年は現時点で患者数・死亡者数とも前年を大きく下回っています。
デング熱とCOVID-19、症状の見分け方
どちらも「発熱」から始まることが多く、初期症状だけでは判別が難しい場合があります。主な違いは次の通りです。
- デング熱:高熱に加え、頭痛、目の奥の痛み、顔の紅潮、手足の点状出血が特徴的。咳や鼻水などの呼吸器症状は基本的に伴わない
- COVID-19:発熱に加え、咳、のどの痛み、鼻水、頭痛、だるさなど呼吸器症状が中心
いずれの場合も自己判断で市販薬を服用せず、症状がある場合は医療機関を受診することが推奨されています。
解熱剤の使用における注意点
発熱時、デング熱の可能性がある場合は、アスピリンやイブプロフェンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の使用を避けるようDDCは注意を呼びかけています。血小板機能への影響から、出血リスクが高まる可能性があるためです。
解熱剤としては、パラセタモール(アセトアミノフェン)が案内されていますが、症状が強い場合や2日以上発熱が続く場合は、自己判断で対応を続けず、必ず医療機関を受診してください。あわせて、COVID-19、インフルエンザA/B、RSVの同時検査キットの活用が推奨されています。
旅行者・在住者へのポイント
デング熱とCOVID-19が同時に報告されている状況を踏まえ、次の対策を心がけてください。
- 朝・夕方の蚊の活動時間帯は虫除けスプレーを使用する
- 滞在先の貯水容器や鉢植えの受皿など、水の溜まり場を確認する
- 混雑した屋内、換気の悪い場所ではマスク着用を検討する
- 発熱時は自己判断でNSAIDsを服用せず、医療機関を受診する
- 高齢者や基礎疾患のある方(タイでは「608グループ」と呼ばれる60歳以上・基礎疾患保有者の重点対象層)との接触時は特に注意する
タイの大手メディアおよび現地医療機関の報道をもとにまとめています。
まとめ
2026年8月末現在、タイではデング熱(21,620人、死者31人、8月19日時点)とCOVID-19(約9万4,000人、死者14人、8月28日時点)がともに報告されています。いずれもバンコクでの報告が多く、DDCは「警報レベルではない」としながらも、基本的な予防と早期受診を呼びかけています。
デング熱とCOVID-19は集計期間・感染経路が異なるため、単純な人数比較で危険度を判断することはできません。旅行者・在住者の方は、蚊対策と呼吸器感染対策の両方を心がけ、発熱時には自己判断を避けて医療機関を受診してください。
またタイでは日本では馴染みのない狂犬病なども現存します。当サイトに獣医の先生の監修のもとに書いた記事もありますので是非下記の関連記事からご覧ください。
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よくある質問(FAQ)
Q1. タイでは感染症が急拡大しているのですか?
DDCは、デング熱・COVID-19とも「警報レベルではない」としています。デング熱は前年・予測値を下回る水準、COVID-19も前年(2025年)に比べ大幅に少ない状況ですが、いずれも季節的な増加傾向にあるため、基本的な予防が呼びかけられています。
Q2. 発熱した場合、デング熱かCOVID-19かどう見分ければいいですか?
デング熱は目の奥の痛みや手足の点状出血など呼吸器症状を伴わない特徴があり、COVID-19は咳やのどの痛みなど呼吸器症状が中心です。ただし自己判断は難しいため、発熱が2日以上続く場合は医療機関を受診し、検査を受けることが推奨されます。
Q3. 発熱時に市販の解熱剤を飲んでもいいですか?
デング熱の可能性がある場合、アスピリンやイブプロフェンなどのNSAIDsは出血リスクを高める可能性があるため避けるべきとされています。パラセタモール(アセトアミノフェン)が案内されていますが、症状が強い場合は医療機関を受診してください。
Q4. デング熱とCOVID-19、どちらの方が危険ですか?
集計期間・感染経路・監視体制が異なるため、患者数だけで単純に比較して危険度を判断することはできません。それぞれ別の感染症として、個別の予防策を取ることが推奨されます。
出典・参考サイト
- タイ保健省疾病管理局(DDC):デング熱・COVID-19感染動向の公式発表
- The Thaiger:デング熱最新感染者数に関する報道記事
- PPTVHD36:COVID-19最新感染者数に関する報道記事
- Nation Thailand:COVID-19主流株および前年比較に関する報道記事

Keita Satou:バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
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