タイのネットショッピングがお得に? Shopee・Lazada・TikTok Shopの手数料引き下げを解説
タイ商務省は2026年11月2日、Shopee・Lazada・TikTok Shopの大手ECプラットフォーム3社と連携し、タイ国内の小規模EC事業者向けに販売手数料(GP)を引き下げる支援策の対象条件を発表しました。手数料の引き下げ自体は10月28日に既に発表されており、今回は対象者の売上条件や申請方法など、より具体的な内容が明らかになった形です。この記事では、手数料がどのくらい下がるのか、対象となる店舗の条件、そして買い物をする私たちにとってどのような影響があるのかを解説します。
何が決まったのか
報道によると、タイ商務省国内商業局は、Shopee・Lazada・TikTok Shopの3プラットフォームと連携し、タイの小規模EC事業者が負担する販売手数料(GP:Gross Profit)を引き下げる措置を実施します。実施期間は2026年12月1日から2027年5月31日までの6ヶ月間で、約120万の事業者が対象候補となり、全体で約19億3,000万バーツのコスト削減効果が見込まれています。
「GP」とは何か
GP(Gross Profit)とは、ECプラットフォームが出店者から徴収する必須手数料のことで、販売コミッション・プラットフォーム基盤サービス料・決済手数料などが含まれます。広告出稿など任意のオプション料金は今回の措置の対象外です。
手数料はどのくらい下がるのか
報道によると、各プラットフォームの手数料率は以下のように引き下げられます。
- Lazada:9.00〜17.50%→7.50〜11.60%(最大42.9%引き下げ)
- TikTok Shop:13.38〜21.94%→11.24〜17.66%(最大35.0%引き下げ)
- Shopee:8.03〜19.26%→8.03〜13.91%(最大33.3%引き下げ)
ここで注意が必要なのは、「最大42.9%」は商品の販売価格が安くなる割引率ではなく、販売事業者がプラットフォームに支払う手数料の削減率だという点です。またこの数字はカテゴリーによって異なり、表の上限同士を単純に比較して算出したものでもありません。
対象となる店舗の条件
報道によると、この措置の対象は原則としてタイ国籍の事業者で、電子商取引登録を正しく行っていることが条件です。
- 個人事業者:年間売上がプラットフォームごとに180万バーツ以下
- 法人事業者:年間売上がプラットフォームごとに350万バーツ以下
- 対象商品:消費財、ファッション、ライフスタイル用品、OTOP(一村一品)など
- 対象外商品:電子機器(原産地確認が難しいことが理由)
なお、日本人が個人で運営する店舗は、タイ国籍限定の条件により原則として対象外と考えられます。一方、日本人が出資するタイ法人がどこまで対象になるかは、株主の国籍や出資比率の扱いが明確に示されておらず、現時点では「対象になる」「ならない」のどちらとも断定できません。申請を検討する場合は、各プラットフォームが11月中に公開する案内を確認することが推奨されます。
申請方法とスケジュール
- 2026年11月:各プラットフォームが参加店舗の受付を開始
- プラットフォームとタイ商務省事業開発局(DBD)による資格審査(約10営業日)
- 2026年12月1日:新しい手数料率の適用開始
- 2027年5月31日:支援期間終了予定(終了後は政府とプラットフォームが協議)
買い物をする私たちへの影響は?
今回の措置で直接恩恵を受けるのは条件を満たす販売事業者ですが、バンコク在住の日本人駐在員や旅行者など「買い物をする側」にも、間接的な影響が考えられます。
- 店舗が手数料削減分を値下げに回した場合、商品価格が安くなる可能性がある
- 小規模店舗が出店を継続しやすくなり、商品の選択肢が維持・拡大する可能性がある
- 対象外の大型店舗・電子機器カテゴリーとの価格競争に変化が出る可能性がある
ただし、削減分を値下げに回すか広告費などに回すかは店舗側の経営判断次第であり、政府が「商品が安くなる」と確約しているわけではありません。価格が必ず下がるとは限らない点にご注意ください。
仮の試算(参考)
手数料削減が店舗側の利益にどの程度影響するか、架空の例で試算してみます(売上一定、手数料率15%→10%と仮定した単純計算で、広告費・原価・送料・税金等は含みません)。
- 月商10万バーツの店舗の場合、手数料は月1万5,000バーツ→1万バーツに
- 1ヶ月あたり5,000バーツ、支援期間6ヶ月で約3万バーツの削減
あくまで仮定に基づく単純計算であり、実際の削減額は商品カテゴリーや店舗ごとの手数料率によって異なります。
なぜ今回の措置が実施されるのか
報道によると、2026年1月から8月にかけて一部プラットフォームで手数料の改定が3回行われ、事業者から負担増加や事業計画の難しさを訴える声が出ていました。今回の措置は、手数料を2026年1月1日時点の水準に戻す形で実施されます。なお、これとは別にタイ競争委員会(TCC)が2026年8月27日から2027年2月27日まで手数料の引き上げ停止措置を進めており、今回の引き下げ措置とは別の取り組みです。
タイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。
まとめ
タイ商務省は、Shopee・Lazada・TikTok Shopと連携し、2026年12月から2027年5月までの6ヶ月間、小規模EC事業者向けに販売手数料を最大42.9%(Lazada)、35.0%(TikTok Shop)、33.3%(Shopee)引き下げる措置を実施します。対象は原則タイ国籍の事業者で、日本人個人事業者は対象外、日本人出資のタイ法人の扱いは現時点で不明です。買い物客にとっては、価格が下がる可能性がある一方、確約された効果ではない点に注意が必要です。
個人的には、タイのEC市場は中小事業者がとても多く、手数料の変動に左右されやすい印象があります。今回の措置で小規模店舗が継続しやすくなれば、結果的に商品の選択肢が増えることにもつながるのではと感じています。
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よくある質問(FAQ)
Shopeeなどの商品が42.9%安くなるのですか?
いいえ。42.9%は販売事業者がプラットフォームに支払う手数料の削減率であり、商品の販売価格が直接その割合で下がるわけではありません。価格が下がるかどうかは店舗側の判断次第です。
いつから手数料が引き下げられますか?
2026年12月1日から2027年5月31日までの6ヶ月間です。対象店舗の申請受付は2026年11月から各プラットフォームで開始されます。
日本人が経営する店舗も対象になりますか?
報道によると、対象は原則タイ国籍の事業者です。日本人が個人で運営する店舗は対象外と考えられますが、日本人が出資するタイ法人の扱いは明確に示されておらず、現時点では断定できません。
対象外の商品はありますか?
電子機器カテゴリーは対象外です。原産地の確認が難しいことが理由とされています。
買い物客として何か手続きは必要ですか?
いいえ、今回の措置は販売事業者向けの支援策であり、購入者側が何か申請する必要はありません。
出典・参考サイト
- Thai PBS|最大42.9%のGP削減条件を発表(11月2日)
- タイ商務省|3社との協力に関する公式発表(10月30日)
- タイ政府広報|約120万事業者・19億3,000万バーツの支援
- The Thaiger タイ語版|登録条件の追加報道(11月2日)

バンコク在住10年以上。旅行ライセンスを持つタイ法人に勤務する傍ら、ライターとしても活動。タイ在住日本人向けメディアとタイ人向けメディアを運営し、日本のテレビ・各種メディア向けに現地情報も提供している。Facebook(フォロワー約1,900人)をはじめ、複数のSNSで合計8万人以上のフォロワーを抱える。職業柄、各業界のタイの裏話や現場の実情に触れる機会も多い。
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