負け組になるタイ移住について 海外YouTuberの動画がタイで話題
「タイなら少ない貯金でも豊かに暮らせる」というSNSでよく見かけるイメージについて、資金計画の甘さに警鐘を鳴らす海外コンテンツクリエイターの動画がタイで話題になっています。タイのメディアが2026年8月13日に紹介した内容をもとに、実際にタイで資金難に陥った外国人支援の実態データも交え、タイ移住のリスクと注意点を整理します。
何が話題になっているのか
出典:youtube(Viajero)
タイのメディアが紹介したのは、海外のコンテンツクリエイターが投稿したYouTube動画です。このyoutuber(Viajero氏)は、企業のオフィス勤務やマーケティング・ソフトウェア開発の職種を経験した後、現在はリモートワークで働きながら、タイ(チェンマイなど)やマレーシアをはじめ東南アジア各地での居住・滞在経験を持つ人物とされています。
Viajero氏は、旅行時の支出とは異なり、長期生活では家賃、ビザ関連費用、医療保険、交通費、医療費、緊急時の出費などが積み重なり、十分な収入源を確保せずに移住すると資金難に陥る可能性があると指摘されています。
1万5,000〜2万米ドル(当時のレートで換算すると、1ドル=約160円として約240万〜320万円)程度の貯金だけでタイへ移住し、「現地に着いてから仕事を探せばよい」と考えるケースに注意を促す内容です。
ただし、この金額で生活が破綻するという公的な統計があるわけではなく、動画の中心はあくまでViajero氏自身の経験や見解です。
youtuberが指摘する主なポイント
動画で挙げられている主な論点は次の通りです。
- SNSなどで広がる「数万ドルの貯金があれば豊かに暮らせる」という情報を鵜呑みにし、現地での収入源がないまま移住し、資金を使い果たして数か月から1年ほどで帰国する外国人が後を絶たないという指摘
- 現地で英語講師になって生活をつなぐ人も多いが、月収3.3万〜3.5万バーツ(1バーツ=約4.8円換算で、約15万8,000円〜16万8,000円)程度ではぎりぎりの生活になり、本国と同等の生活水準を維持することは難しいという指摘
- 本国に戻る資金すら失い、タイに留まりたい一心で困窮状態に陥ったり、インターネット上で支援を募る状態になったりするケースがあるという指摘
- 物価が安い国では「まだ余裕がある」と錯覚しやすく、金銭感覚が緩み、外食やレジャーなどで想定以上の支出を重ねてしまう危険があるという指摘
- 長期的に安定して暮らすには、貯金の切り崩しや現地の低賃金労働に頼るのではなく、スキル習得などを通じてリモートワークのような確実な収入源を移住前に構築することが重要という指摘
動画のコメント欄では、視聴者からさまざまな反応が寄せられています。動画の主張に共感し「計画性のない移住は失敗しやすい」とする声がある一方、「一部の困窮者だけを見て全体を語るべきではない」「取材が不十分」といった批判的な意見も出ており、賛否が分かれている状況です。また、「夜遊びなど自己管理の問題が大きい」「子育てをする場合は決して物価が安いとは言えない」といった、体験に基づく補足的な視点も寄せられています。これらはいずれも視聴者個人の見解であり、統計的な裏付けがあるものではない点にご注意ください。
主なコメント
賛成意見
- 恵まれた環境を忘れ、無計画にタイへ渡る人が多すぎる。スキルと計画がなければ成功しない
- 『楽な暮らし』を求めて来る人が多いが、そんなものは存在しない。ハードに働く覚悟が必要
- 東南アジアを『ストレスフリーな人生の抜け道』と捉えがちだが、安定して暮らすには相当な努力が必要
- タイは本国で稼げない若者が逃げて働く場所ではなく、キャリアを築いた後やリタイア後に楽しむ場所だ
反対意見
- 異議あり。アジアで出会う若い起業家たちは非常に革新的だ。バーに一日中いるリタイア組や貧困層しか見ていないのではないか
- あまりにも情報不足。数人と話した程度で全体を語るべきではない
- アメリカでの大量解雇や経済悪化など、若者が国外へ出ざるを得ない背景を無視している
中立的な意見
- 月2,300ドルで十分貯金できている。失敗する人の多くは頻繁な夜遊びで出費がかさんでいるのが原因で、計画と自己管理次第だ
- タイに18年住んでいるが、特に子育てをする場合は決して物価が安いとは言えない。適切な仕事があるから生活を維持できている
- 単に物価だけでなく、文化や安全面、個人の適性によって適した国は異なる
実際にタイで困窮する外国人もいる
YouTube動画とは別に、実際の支援団体による調査報道でも、外国人がタイで生活困窮に陥るケースが確認されています。バンコクの支援団体「Bangkok Community Help Foundation」は、約8か月間でおよそ45人のホームレス状態となった外国人を支援したと説明しています。
背景には、失業、投資や詐欺による資金喪失、銀行口座の問題、帰国航空券を購入できないケースなどがあり、支援対象には日本人も含まれていたとされています。ただし、日本人が具体的に何人いたのか、また日本人の困窮者が増加しているという統計は公表されていません。
タイの長期滞在ビザにある資金要件
タイの長期滞在ビザには、一定の資金要件が設けられています。
- 50歳以上のリタイアメント関連ビザ:代表的な条件として、80万バーツ(1バーツ=約4.8円換算で、約384万円)の預金、または月6万5,000バーツ以上(約31万2,000円)の収入
- DTV(Destination Thailand Visa):原則として50万バーツ以上(約240万円)の金融資産を示す資料が求められる
こうした要件は、ビザ申請時点での資金証明であり、その後の生活費が十分かどうかを保証するものではありません。移住後の生活費、医療保険、緊急時の備えは、別途計画しておく必要があります。
この動画についての補足
今回の話題は、「タイで外国人の破産者が急増している」という統計的なニュースではありません。むしろ、タイは日本や欧米より生活費を抑えやすい面がある一方で、十分な貯蓄や継続的な収入、医療保険、帰国資金を準備せずに長期移住すると、想定より早く資金が尽きる可能性があるという注意喚起として読むのが適切です。
タイの大手メディアおよび現地メディアの報道をもとにまとめています。
まとめ
タイへの移住を考える外国人に対し、「少ない貯金でも安く暮らせる」というイメージを鵜呑みにしないよう警告する海外YouTuberの動画が、タイの英字メディアASEAN NOWで紹介され話題になっています。動画では、十分な収入源を確保せずに移住すると資金難に陥る可能性があると指摘されていますが、これはあくまで発信者個人の見解に基づくものです。
一方、Bangkok Community Help Foundationの調査では、約8か月で約45人の外国人がホームレス状態となり支援を受けたことが確認されており、支援対象には日本人も含まれていました。タイの長期滞在ビザにも資金要件が設けられていますが、これは申請時点の証明であり、生活の持続可能性を保証するものではありません。
この10年で多くの移住者や新規事業立ち上げの方を見てきました。多くのパターンが海外在住日本人とのつながりや情報収集目的で夜の街を出歩いていた方が、知らず知らずのうちに夜遊びが目的となってしまうパターン。また飲食店やサービス業のマネージャー職でもそのようなパターンは見受けられます。また配偶者やパートナーとの金銭トラブルもよく聞く話です。
海外生活で気が緩んでしまい、想定より早くペースが崩れてしまうのは正直誰にでもあることです。食費も買い物代金も社交費用も日本より多くなってしまう事が多々あるバンコク生活ならなおさらです。また当サイトのライターでもあるファイナンシャルプランナーでもある田中ゆき恵氏の記事も参考にしてください
移住を検討される際は、貯金だけに頼るのではなく、継続的な収入源の確保、医療保険への加入、緊急時の帰国資金の確保まで含めて計画されることをおすすめします。


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よくある質問(FAQ)
Q1. タイで外国人の破産者が急増しているというニュースですか?
いいえ、そのような統計データが発表されたわけではありません。今回紹介した動画は、海外のコンテンツクリエイター個人の見解・経験に基づくものであり、「急増」を裏付ける公的な統計は確認されていません。ただし、支援団体による実際の困窮者支援の実績は確認されています。
Q2. 日本人の困窮者は増えているのですか?
支援団体の支援対象には日本人も含まれていたとされていますが、具体的な人数や、増加傾向を示す統計は公表されていません。断定的な情報として扱うべきではありません。
Q3. どのくらいの資金があればタイに移住しても安全ですか?
これは個人の生活水準、家族構成、居住エリア、医療保険の有無などによって大きく異なるため、一概には言えません。長期滞在ビザの資金要件(例:50歳以上のリタイアメントビザで80万バーツの預金等)は申請の最低条件であり、それだけで長期的な生活が保証されるものではない点にご注意ください。
出典・参考サイト
- ASEAN NOW「Thailand dream turns sour as foreigners run out of cash」
- youtube:https://youtu.be/(Viajero)

Keita Satou
バンコク在住10年以上。旅行ライセンスの持つタイ法人の社員のかたわらライターも行う。タイ在住日本人向けのメディアとタイ人向けメディアを運営。Facebook(フォロワー1900人)や複数のSNS(総フォロワー8万人以上)を運営する。日本のテレビ・メディア取材経験多数あり。職業柄、各業界のタイの裏話を聞くことも多数あるそう。
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